ヘッド博士と合わせて聴きたい90年代の名作


フリッパーズが3枚目のアルバム「ヘッド博士」をリリースした時期と同じ1991年の夏にインディー盤をリリースした「ヴィーナスペーター」というバンドがいます(いました)。

ヴォーカルの沖野俊太郎は、フリッパーズ結成前の小山田と「ビロード(velludo)」というユニットをやっていた友人同士だった人物でもあり、ヴィーナスペーターとしては1992年の9月にその小山田が設立したレーベル「トラットリア」からメジャーデビューアルバムをリリースしています。

そのアルバム「スペースドライヴァー」の内容はとても素晴らしく、当時のイギリスのマッドチェスターとシューゲイザーの養分を相当含んだギターロック/ポップに仕上がっています。全曲英詩で、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーのように歌う沖野のヴォーカルとその楽曲のセンスの良さから、当時のイギリスのバンドのように聴けました。

あの頃のイギリスのロックに呼応した日本のロック名盤として、フリッパーズのヘッド博士と並ぶ名盤ですので、ぜひ中古で見かけた際は購入してじっくり聴いていただければと思います。(マイブラや、ライド、スクリーマデリカなどが好きな人は是非! シューゲイザーのようにギターが中心の楽曲なので、ある意味、ヘッド博士よりも時代の風化が少なく感じられて、今でも普遍的な魅力を維持出来ているように思います)

代表曲の「Every Planets Son」

2006年、再結成後の「Hands」も相当格好いいです


その後、バンドは1993年にアルバム「ビッグサッドテーブル」をリリースして解散してしまいます。日本語詞に切り替えたこのアルバムは、当時の同世代のイギリスのバンドの多くが、1960年代後半から1970年代のブルースロックやハードロック、ファンクの音を取り入れてよりグルーヴ感のあるギターロックを目指すようになっていたのと同じような方向に進んでいるように感じましたが、実際には実力が伴わず、理想を実現出来ていない不完全燃焼な印象が拭えない佳作でした。

ただし、同世代のバンドがそういった作品をリリースしていたのが1994年~1996年あたりだったことから考えると、彼らよりも早く同じ方向に進んでいたということで、やはりセンスの良さを感じさせられます。素人ながら、後から振り返って惜しかったな~と思ったものです。。。

そんなヴィーナスペーターのヴォーカルの沖野俊太郎が15年ぶりにアルバム「F-A-R」をリリースして話題になっています。

また、ナタリーでは、それを記念して沖野と小山田の対談企画を組んでいるのですが、その内容が二人の出会いからフリッパーズの頃の話、フリッパーズへの思い、当時の心情などが語られていて個人的にはとても興奮して読める内容でした。

ちなみに以下の公式アカウントのツイートをリツイートすると、小山田リミックス曲の試聴が出来るURLをもらえるそうです!


ナタリー:沖野俊太郎×小山田圭吾

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