フリッパーズ・ギター VS スパイラル・ライフ


フリッパーズが少しだけブレイクして解散した後、いわゆるフリッパーズフォロワーと呼ばれるユニットやバンドがたくさん出てきた。そのつもりがなかったかもしれないがそういう風に見えるユニットは多かった。(サニーデイ・サービスはちゃんと自称してましたw)

フリッパーズが解散した91年から2年後の1993年9月に、フリッパーズと同じポリスターレコードからスパイラルライフという二人組がアルバム「ファーザー・アロング」でデビューしました。

僕は当時どうしてもこのグループを受け入れることが出来ませんでした。その理由はフリッパーズの真似事みたいなことをするフォロワー自体があまり好ましくなかったという前提に加えて、フリッパーズと同じ時期に活動していたバンドで「BAKU」の元メンバーが始めたユニットだからでした。

そのBAKUというバンドは、フリッパーズの洗練さ(音楽性も音楽偏差値も音楽に対する姿勢も)とは真逆に思えるバンドだったし、悪意を持った言い方をすると、「女子高生や女子中学生向けの放課後お子様バンド」と形容できるものだったので、そんなバンドのギタリストがこっちに来ないでよ~、なんて意地悪に見ていました。

これは僕だけでない風潮だったようで、音楽ライターの鹿野淳氏(MUSICA)も、スパイラルライフについて以下のように振り返っている。

「渋谷系的なマニアックリスナーからは懐疑的な視線で距離を置かれた」


でも、ジャケットのデザインやタイトル、たたずまいには「良さそうな音楽」の雰囲気があって気になってしまったので、「自分では絶対に買わない!」と決めつつも、友達に買わせて借りて聴きました。

小沢健二が書いた詞に比べると、歌詞はとにかくダサいと思ったけど、メロディーやヴォーカル、サウンドにはグッと来てしまい、頭の中にはメロディーが流れるようになってしまいました。

そして、CDのクレジットには、エグゼクティブプロデューサーとして、フリッパーズプロジェクトのボスだった牧村憲一氏の名前が。。。勝手な想像で、牧村氏はたまたま同じレコード会社だから「ビジネス」として参加しているのだろう、と解釈していました。

その後も僕はスパイラルをバカにしつつも気になるので、人から借りたりして時々このユニットの作品をチェックしていました。発売から10年も経って少しは大人になった頃にはちゃんと「ファーザーアロング」を中古で買って素直に「いい曲が揃ったいいアルバム」として扱っていました。

さらに発売から20年経った2013年秋、ミックス違いの20周年記念盤が出るということで、とても楽しみにして発売日に買いに出かけました。そのブックレットには、牧村氏によるライナーノーツが。

興味津々で読むと、当時、身内であるトラットリア(小山田が立ち上げたレーベル)のスタッフからも「お手並み拝見という応援のような応援ではないようなエールを送られていた」そうです。やはり身内のスタッフも懐疑的だったんですね。

しかし、牧村さんのライナーノーツを読んで、決っして「ビジネス」として参加していなかったことが分かり、なんだか嬉しいような、自分が恥ずかしいようなそんな気持ちになりましたが、その分、17歳の時に出会ったこのアルバムをやっと素直に聴くことが出来るようになったことも事実です。


このアルバムは93年のオリジナル盤CDは中古で数百円で買えますし、音も全然悪くないのでぜひ探して聴いてみてはいかがでしょうか?(20周年盤はリマスターではなく、ミックス違いなんですが、1960年代っぽさが減少していてイマイチなので93年盤で大丈夫ですよ!)




スパイラル・ライフ「FURTHER ALONG」(Amazon)


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