フリッパーズのクリスマスソング



1990年11月20日 シングル「LOVE TRAIN / SLIDE」発売

これが出た当時、ファンの間ではあまり評判がよくなかったそうです。
ラブトレインの方は、カメラトークからの「洗練さ」が薄まっていて、
失速したように聞こえたのだと思います。

実際は、この曲のレコーディング自体は7月28日から8月3日に
行われていたということですので、リリースまでに時間がだいぶありました。
この間に二人はもちろん、時代の音も急速に進化してしまったため、
多くのファンはリリース時に「二人が出す新曲はこの程度じゃないだろう」
と違和感を覚えたのでしょうか。


以下、音楽ライター渡辺亨さんのレビュー

「フリッパーズ=ネオアコ、というイメージに反発してか
タイトル曲は英国のサラ・レーベルの一連のバンドに通じる
雰囲気を漂わせた、サイケ/ガレージサウンドっぽいギターロック。

スライドはほとんどリズムマシーンとアコーディオンのみで
作られたクリスマスソング
ミカドというフランスのデュオを思い起こさせる
チープな音作りがとてもチャーミングだ。」


【元ネタ】
ラブトレインはストーンローゼスの「エレファントストーン」が
元ネタで、ドラム、スライドギターが似ています。

スライドは、ルイフィリップがやっていたアルカディアンズの
「from season to season」のメロディをお借りしています。

全体の曲調は、キャンディフリップの「This can be real」に似てます。

ちなみに、スライドのアコーディオンは、あのコバ(coba)です。


その頃のインタビューで二人は次のように語っていました。

小沢 「最初は極端な話ネオアコおたくの話に終始すれば
何てことなかったんだけど、さすがにだんだん特異性が・・・。」

小山田  「 別に特異性を目指してたわけじゃないのに。」
小沢  「 ヘンなところから現れちゃって。」
小山田  「 それはある程度(自分たちの中でネオアコ系が)
終わっちゃったというのもある。」

小沢  「 例えばベン・ワットの『ノースマリンドライブ』
っていうレコードが皆好きだ、僕らも好きだ。
でもそれと同じ様な音のものは作れるけど、
同じ存在のものはできない体質だし。

あとは一遍複雑な方へ行くともう簡単な方へは戻れないというのがある。


ヘッド博士という複雑な方に向かい始めようとしているフリッパーズでした。

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