フリッパーズは渋谷系(Shibuya-Kei)ではなかった?


渋谷系という言葉は1993年頃から出てきた表現で、

フリッパーズ解散後の二人のソロ活動(特にコーネリアス)や
曲がCMに使われるなどしてセールスを伸ばしていたピチカートファイブや
オリジナルラブ、小山田のトラットリアレーベル、クルーエルレコードといった
フリッパーズの周辺の人脈や音楽センスの近い諸先輩たちのCDが
特に売れる店(渋谷のHMVなど)や、彼らの音楽のルーツとなる
レコード屋や、彼らの活動するライブハウスやクラブが渋谷に多かったことから、
そのように括られたと思われます。
※諸説あります。

音楽的には同じジャンルとして表現できないけど、
洋楽的という点で共通してあり、それを熱烈に好む「人種」が
一定数いたから、音楽業界がそういった音楽を一言で紹介できる
便利なキーワードとして使い出したんじゃないかな?と想像します。

なので、多くの当事者たちはその単語を茶化して笑っていました。
そのうち、あまり音楽的なセンスを感じない(実際は音楽偏差値が低く、
ぱっと見ジャケットがお洒落風、洋楽少し知ってます的な)連中と一緒にされることを
嫌がる当事者もいたりしました。


牧村氏
「当時我々がどこをターゲットにしていたかと言えば、六本木WAVEだったんです。
六本木WAVEのフロアの姿勢が、洋楽・邦楽関係なく売っていく
ということだったんです。」

そこにぴったり合ったのが、洋楽臭をプンプンさせたフリッパーズのサウンドや
洗練された信藤氏(CTPP)デザインのジャケットだったそうです。

最初にうけたのは、街としては渋谷ではなく六本木で、お店も渋谷HMVが主導ではなくて、六本木WAVEだったそうです。


牧村氏
「フリッパーズは渋谷系ではなくて、
渋谷系となるものの呼び水としてはあったかも知れない」


この時期は、フリッパーズが日本の音楽業界に開けた小さな風穴によってか、
洋楽の影響を前面に出すさまざまなジャンルのアーティストやレーベルが
どんどん増えていて、bフラワーやネロリーズがいたレーベル
「 Por supuesto(ポルスプエスト)」、コーザノストラやエル・マロがいた
レーベル「bellissima!」なんかも、渋谷系として認識されていました。

あとは、「トランペット・トランペットレコード」とかその後の「エスカレーターレコード」とか。


個人的には1992年~1994年に出たCDで、
ジャケットが洗練されていて、フリッパーズに刺激されたと思われる
ネオアコやギターポップ、イギリスのアシッドジャズやレアグルーヴを
実現しようとしていたアーティストを思い浮かべます。

1995年以降になると渋谷系という言葉は、
どうでもいいアーティストからファッションやテレビ番組にまで
使われる言葉として別物に変化していったと感じています。

なので自分が聞いていた音楽が「渋谷系」だと思ったこともないまま
その言葉に違和感だけを感じて20年近くが経ってしまいました。
つまり自分にとっては、渋谷系はどうでもいい言葉ということですね。。。

リアルタイムの人の感想…。

ブログを更新したらつぶやきます
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